こんにちは!富田林市の鍼灸院元気のツボの寺元です。今回は鍼灸師としてのキャリアを考えている方に向けたお話です。鍼灸師になるためにどうしたらいいのか、資格取得した後の人生の選択肢など、まだまだ未熟な私の経験も含めてお話しできたらいいなと思います。
他にも鍼灸の効果や適応症状についても別の記事でご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください!
柔整師から鍼灸師に移行した私の場合・・・
私は最初、柔道整復師として接骨院を開業し、「この手ですべての体を治すゴッドハンドになる!」と思ってこの業界に入りました。しかし柔整の保険治療では施術時間が短すぎたり、忙しすぎて患者をたらい回しにするような環境が自分には合わなかったので、自分の合う施術を探すため、色々な勉強会へ行きました。そこで、様々な考え方や技術を学んだのですが、自分的には「これだ!」と言えるようなものが見つからず、治療の考え方もブレブレでした。他に何か活路が無いかと、うんうん悩みながら「鍼灸治療はどうだろう?」と鍼灸に目を付けました。そこでも色々な勉強会へ行き、「あれもこれも違うなー」と思いながら、やっと、師匠の開催する勉強会と出会い、自分が納得できる治療が出来るようになりました。今ではその勉強会でも教える立場になっています。もちろん今でも引き出しを増やすため日々勉強ではありますが、私の性格的に解剖学的な考えを軸に、施術を行う鍼治療が1番合っていたのかなと思います。
学校のカリキュラムだけでは治療家にはなれません
鍼灸師の国家資格を取るためには3年間学校に通う必要があります。しかしそこで学んだ内容だけでは治せないのが現状です。学校は国家資格に合格させるための施設で、治せるようになるには、それとは別にセミナーや勉強会などで技術の習得をしていかないといけません。鍼灸師の資格を取得した後は順風満帆かと言われれば、そんなことはないのです。学費に400万ぐらい出して、資格の勉強をして、そこからさらにお金を出して自分の興味のあるセミナーに通う。私の場合はそれを繰り返して現在に至っています。
鍼灸師のサラリーマン化
鍼灸師の資格を取った後、大半の方は「スポーツトレーナー」とて雇われたり、「鍼灸接骨院」や「鍼灸サロン」などに就職すると思います。年齢によりますが、そこである程度経験を積んで、開業か雇われかを判断するのも遅くは無いと思います。しかし鍼灸師の雇われは、給料的な部分でぶっちゃけうま味が無いです。私もいくつかの鍼灸接骨院グループに勤めていたことがありますが、院の売り上げが特別良くなければ、6年間給料は初任給から上がることはほぼ無かったです。もちろんボーナスもないです。退職金もないです。ある意味、修業期間だと思って、何かやりがいを見つけないと続けられないと思います。
保険治療について
鍼灸院の保険治療は、まずは病院に行き、医者の診察を受け、「あなたには鍼治療が必要」という診断を受け、持参した同意書に一筆書いてもらわないと保険治療が受けれません。なので今日腰を痛めて、楽にしてもらおうと鍼灸院に行っても、基本的には保険治療は受けられないのです。保険治療適応の症状にも範囲があり、(神経痛・リウマチ・五十肩・頚腕症候群・腰痛症・頚椎捻挫後遺症)のみとなります。単価も1600円ぐらいで、請求するためにはレセプト作業(保険請求をする手続き)が大体月末にあり、時間も取られるので非常にめんどくさいです。そして医者も積極的に同意書を書いてくれるわけでは無いので、鍼灸院は基本的に自費での施術が多いです。
一人鍼灸院を開業するなら1日平均何人来院が必要か?
雇われからいざ個人事業主になったとしても、初めから上手く軌道に乗せるためには、しっかりとした準備が必要であり、苦労もします。自費治療なら値段は言い値です。探せば1,000円の所もあれば10,000円の所もあります。ただ相場は大体4,000円~6,000円と言われていますので、今回は4,000円で計算してみます。週休2日で月稼働22日で、1日10人来院したとしたら、40,000円/日、880,000円/月、10,560,000/年となり収入が10,000万超えます。しかしこれはかなり理想過ぎるので、半分の5人ではどうでしょうか?440,000円/月、528,0000円/年となり、これでもまだまだもらえている方です。では3人ならどうでしょうか?264,000円/月、3,168,000円/年となり、これぐらいなら、中小企業のサラリーマンの平均年収ぐらいは貰えているので、まずは1日平均3人、1ヵ月66人ぐらいの来院数を目指してみてもいいのではないのでしょうか?
治療家として必要なもの
鍼灸師という仕事は患者の身体だけでなく、心も癒してあげれたら最強です。どれだけ腕がよくて理論がしっかりしていても、施術者の愛想が悪かったり性格に問題があると患者は一回で来なくなります。患者を惹きつけるためには「人間性」も大事です。間違いないと思います。同じ患者に同じ施術をしても、誰がするかで効果が変わる人もいます。それは患者の身体に触れた時の手が柔らかかったり、作業を雑に扱ったりすることも無く、安心感を与えるような体の操作をしているからではないかと思っています。それが患者にも伝わることで、施術が受けやすい態勢になり、効果の底上げをしていると思います。つまり最初は腕が無くても、丁寧に施術して、キャラが良かったら通ってくれる患者はいるということです。そこから居心地のいい院ををさらに提供出来たら、患者はどこかで気に入ってくれて、通ってくれるはずです。
まとめ
鍼灸師の資格を取り始めたころは、臨床に出ても中々結果が出なくて、苦労します。そこからちょっとずつ勉強して経験を積み重ねて結果を出してくると、感謝もされて仕事も楽しくなってきます。そこにやりがいを感じなければ、他の仕事をする方がいいのかなと個人的には思います。これから鍼灸師として頑張っていこうと考えている方は大歓迎ですが、いばらの道でもあるということを覚悟して踏み入れてくださいね。
他にももっと詳しく鍼灸のことを知りたい場合は別記事でも紹介しております!
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